山鶴のこだわり
愚直なまで真面目に、技と知恵、そして心で醸す。
「山鶴」は、そんなお酒です。
創業1727年、全酒吟醸規格で醸すこだわりの地酒。
そんな「山鶴」のこだわりをご紹介します。
その1 特定名称酒しかつくりません。
奈良で屈指の歴史をもつ酒蔵といっても、それだけで評価していただけるほど甘くはありません。
一時期は、いわゆる増醸酒=普通酒が中心だったこともあります。
しかしそれでは蔵の将来はなく、かつまた酒蔵としての良心が問われるとの思いから、昭和六十二年に酒蔵方針を大転換。
普通酒の製造は一切止め、本醸造酒以上の特定名称酒だけを少しずつ(年間50kl・二百七十石)、丁寧に丁寧に造って自信をもっておすすめできる酒だけを蔵出ししてきました。
そのために、蔵も少量高品質の醸造に適したものに建て替え、設備投資も積極的に行って来た結果、全国各地の地酒専門店や百貨店をはじめ愛飲家の皆様に少しは知られた存在になりました。
また平成17年からは、日本酒の原点に帰り、純米酒のみ製造する蔵になりました。
その2 全酒 吟醸規格で醸します。
高品質の酒、美味しい酒を造るために当蔵は「一白・二蔵・三杜氏」をモットーに掲げています。
「一白」とは良い米(酒造好適米)を白く磨くことです。
米粒の周囲にある脂肪などの雑味成分は酒造りには不要で、酒造りはこれを取り除く(白く磨く)ことから始まります。
「山鶴」の平均精米歩合は49.6%、全国平均の精米歩合約72%とお比べいただくと、いかに材料を磨くことにこだわっているかお分かりいただけることと思います。
しかも、純米酒も含めてすべての酒を吟醸酒の規格(使用米三等以上・精米歩合60%以下・低温醗酵)で醸しています。
同じレベルの酒でも「山鶴」はひと味違う美味しさと高い評価をいただいている理由もここにあるのかもしれません。
その3 最新の設備と人の技の融合。
先の「二蔵」とは良い蔵、良い設備のこと。そして「三杜氏」とは、よい杜氏・良い蔵人のことです。
「山鶴」は伝統的な技法を酒造りの基本にしていますが、新しい設備や技術もそれが手造りの良さをさらに生かし、品質や味わいを高めるのに役立つものなら積極的に導入しています。
昭和62年に吟醸専用蔵を建設し、最新設備を備えたのもそのひとつの表れです。
人の技でなければできないことは人に、機械にまかせたほうがよいことは機械に。
これが「山鶴」の考え方です。
その4 商品管理にも心を砕いています。
せっかく丁寧に醸し上げた酒も、その管理がおろそかでは台なしです。
蔵の商品貯載も、生酒は摂氏マイナス5度の低温貯蔵で、熱処理する酒も生酒をビン詰めした後にビン燗・急冷した上で18℃以下の冷蔵庫で低温管理しています。
また販売についても、商品管理を十分に行っていただけるお店と取引させていただいています。
といいますのも、いくら良い酒でも流通段階の商品取扱がいい加減であれば中身が変質してしまう可能性が大きいからです。
我が子をいつくしむように醸し上げた酒を、しぼリたて、あるいは蔵出しのままの風味でお届けしたい…
そんな気持ちから「山鶴」は、小さな造り酒屋というその利点を最大限に生かして努力を積み重ねています。