本日、今季すべてのお米を蒸す作業を終え、おかげさまで無事に「甑倒し」を迎えました。甑とは、酒米を蒸すために用いる大型の蒸篭(せいろ)のことで、「甑倒し」とは蒸篭を倒して洗い、仕舞うことから蒸米造りの終了、つまり今季の仕込みの終了を表します。
最初の酛立てから約5か月続いた厳しい仕込みが終わり、「甑倒し」は蔵にとって大きな節目となります。今朝、7時からの最後の蒸米で蒸した酒米は、長屋王の掛米「ひのひかり」と精米歩合40%の「山田錦」。
放冷の後、「ひのひかり」を仕込み、夜の仕込みまでさらに放冷させるために「山田錦」を蔵に広げる作業が終わると、杜氏は蔵人さんに「お疲れ様でした!」と労いの言葉をかけました。蔵人さんからは自然と拍手がわき、皆さんほっとした様子でした。
しかし、ほっとするのも束の間、発酵中の醪の管理や上槽(搾り)、瓶詰、火入れなど、まだまだ作業はたくさんあります。すべての酒造が終わる「皆造」まで気が抜けない日々が続きます。